二重に見える

二重に見える「複視」とは

ものが二重(または三重)に見える状態を複視と言います。原因は様々考えられますが、複視になると運転時に認識力が低下するなど、日常生活に多くの支障をきたします。
一方で、視力はその日の体調などによって一時的に低下することもあるため、ご自身が複視であるかどうかを判断することは難しいとされます。
以下は、ご自身で簡単に行えるセルフチェックとなります。気になる症状が現れている場合には、ぜひ一度確認してみましょう。

複視の確認方法

手のひらで片方の目を隠し、もう片方の目だけでものを見てみましょう。これにより二重に見えていた状態が改善したり、ものが見えやすくなった場合には、複視を発症している可能性があります。
一方で、見え方に変化がなかった場合には複視の可能性は低いですが、その場合は別の異常が起きている可能性もあります。
いずれにしても、ものの見え方に問題が発生している場合には、一度当院までお気軽にご相談ください。

二重に見える原因

乱視

乱視とは、角膜の表面に傷や歪みなどが生じることによって進入光が乱反射し、もののピントが合わなくなる状態です。
主な症状としては、ものが歪んで見える、二重に見えるなどが挙げられます。

眼精疲労

眼精疲労とは、何らかの原因によってものが見えづらくなるだけでなく、全身に様々な症状を引き起こす病気です。主な原因としては、過度なストレスの蓄積や長時間に及ぶデスクワークなどの生活習慣の乱れや、目・体の病気、眼鏡やコンタクトレンズの不適切使用などが考えられます。
症状としては、かすみ目やものが二重に見える、目の乾燥、目の奥の痛み、目のしょぼしょぼ感などが挙げられます。また、全身症状としては、めまいやふらつき、慢性的な倦怠感、頭痛、肩こりなどが挙げられます。

白内障

白内障とは、加齢などによって眼球の水晶体が白く濁る病気です。主な症状としては、ものが二重に見える、視界がぼやけて見える、視界が暗く感じる、目がかすむなどが挙げられます。
白内障は進行すればするほど治療による視力の回復が難しくなるため、できるだけ早い段階で手術治療を行うことを推奨しています。

白内障

老眼

老眼とは、加齢によって眼球の毛様体筋の働きや水晶体の弾力が低下することで、ものを見る際に対象物のピントが合いづらくなる病気です。老眼と聞くと高齢者の病気と思われがちですが、実際には40歳あたりから発症するケースも多く見られます。
ピントが合わなくなることで、近距離の対象物がぼやけて見える、小さな字が読みづらい、ものが二重に見える、目に疲労感が生じやすいなどの症状が現れるようになります。

斜視

斜視とは、片方の目、もしくは両方の目が正常な状態からずれてしまうことで、対象物が二重に見えてしまう状態です。我々の目は、両眼の視線が一致することで対象物を立体的に捉えています。しかし、斜視になると両眼の視線が一致しなくなるため、対象物が二重に見えたり正しく立体視できないなどの症状を引き起こします。
主な原因は、生まれつき目の位置がずれている先天的な場合や、怪我・病気などによって後天的に発症する場合の2種類があります。

二重に見えるときに行う検査

まずは簡易的な検査として、自身の片目を塞いだ際の見え方について確認します。具体的には、片目を塞いだ際にものが二重に見える状態が解消するかどうか、片目を塞いだ際に二重に見えている像の内側・外側のどちらが消失するか、片目を塞いだ際にどの方向に症状が強くなるかなどを確認します。
この検査によっておおよその状態を把握できた後には、水平性眼球運動、垂直性眼球運動、眼球運動などの検査を行い、総合的に診断します。必要に応じて連携する医療機関にご紹介いたします。

二重に見えるときの対処法

経過観察

症状が一時的なものである可能性が高い上、比較的軽度で日常生活に支障をきたす恐れが低いと判断された場合には、経過観察となります。ただし、その後に症状が悪化することもあるため、定期的に検査を行って状態を確認しておくことが大切です。

疾患・屈折異常に応じた対応

ものが二重に見える症状の対処法や治療法は、原因によって異なります。乱視や眼精疲労、白内障の病気が原因の場合には、それぞれに応じた治療や矯正を実施します。斜視が原因の場合には、視能矯正訓練や眼筋運動訓練、プリズム眼鏡の訓練などを実施し、症状の改善を図ります。
一方で、ものが二重に見える症状の中には、原因がはっきりしないケースも存在します。その場合には、より精密な検査を行なって原因を特定する必要があります。当院では、精密検査が必要と判断された患者様には、提携する医療機関をご紹介いたします。

二重に見えるときに受診するのは眼科?脳神経外科?

ものが二重に見える症状が現れた際には、まず眼科を受診しましょう。症状の原因が目の領域内であれば、眼科での治療で改善が期待できます。一方、原因が脳や神経系統の異常の疑いがある場合には、眼科受診後に神経内科や脳外科をご紹介するケースもあります。

二重に見える症状は自然に治る?

ものが二重に見える症状には、原因によって自然治癒するものと医療機関での治療が必要なものに分かれます。これらはご自身で判断するのは難しい上、放置すると症状が重篤化するケースもあるため、気になる症状が現れた際にはできるだけお早めに当院までご相談ください。

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